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小笠原諸島父島散策 ~赤ポッポの聖域 東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーへ~

 こんにちは。


父島には、アカガシラカラスバトという頭が赤いきれいなハトが生息しています。
このハトや植物などの自然環境を保全するために設定された、指定ルート「東平アカガシラカラスバトサンクチュアリー」に行ってきました。



【目 次】

1.アカガシラカラスバトとは?

2.東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーとは?

3.東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーの様子


1.アカガシラカラスバトとは?

東京都環境局 東京の自然公園HPの東京の自然公園図鑑より抜粋

小笠原諸島には、「アカガシラカラスバト」という固有亜種のハトがいて、国の天然記念物にも指定されています。
アカガシラカラスバトの正式名称は長いので、「赤ポッポ」という愛称で島民に親しまれているハトです。
このハトは、当初数十羽しか生息数がおらず、父島では幻のハトと言われていました。
そこで、島民・都・専門家が本気で議論し、保全活動を進めた結果、数十羽から400羽を超えるまでに生息数が回復しました。それでも、まだまだ種として安定的に存在できる数には足りませんが、少しずつ増えています。

また、都内にある都立動物園3園(多摩動物公園、上野動物園、井之頭自然文化園)で、保護増殖事業として飼育・繁殖が行われています。

アカガシラカラスバトの全長は約40㎝。体重は約450g。頭の部分が赤く、体は光沢がある美しい色です。一日の大半を歩いて食べ物を探していることから足が太く、幼鳥(愛称:黒ポッポ)はくちばしが黒く、成長するにつれ先端が黄色くなるといった特徴があります。

東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーにおいても繁殖が確認されており、この森はハトにとって大変重要な住処となっています。
(東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーの冊子より抜粋)


2.東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーとは?

東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーは、アカガシラカラスバトの生息環境の保全と適正な利用に資することを目的として、2003年に関東森林管理局が(社)東京林業土木協会や地元NGO等の協力を得て、設定しました。
ここではアカガシラカラスバトの精測環境に適した森林の保全・整備を実施し、加戸が住みやすい森づくりを進めています。
東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーは、ハトが最優先される場所です。

東平一帯は、比較的平らな地形が広がり、そこから幾筋もの尾根が伸び、小笠原では珍しく年間を通して流水のある沢もあります。土壌も深く湿潤なところから浅く乾燥したところまで様々あり、このため植生の構成は、高木林帯から低木林帯までと幅広く変化に富んでいます。特に、低木林帯では『小笠原固有の植物』が多く見られ、父島列島に生息する絶滅危惧種の約7割が生育しており、その希少性や生物多様性は有人島の父島にあっても随一の地域と言われています。
(東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーの冊子より抜粋)


3.東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーの様子

場所は、父島のほぼ中心にあります。


父島や母島には、「指定ルート」と呼ばれている、保全地域の中でも、入林を許可された方、またはガイド等の同行で入れる場所があります。
(保全地域は基本的に入林不可。例外的に指定ルートが認められている)
東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーは、その指定ルートの1つです。

すだちは、実は島民用の「村民レクレーション用の許可証」を持ってます。

村民の入林パスと、講習でもらったサンクチュアリーの冊子

今回の足は、いつもの通り電動アシスト自転車をレンタル。
今回も小笠原観光(有)さんにお世話になりました。


奥村の集落から、夜明道路にはいり、坂道をアシスト「強」で登っていきます。
旭山を過ぎ、長崎展望台を過ぎ、国立天文台の電波望遠鏡も横目に見ながら走っていきます。首無し尊徳像、JAXAの追跡所を過ぎて、初寝浦の浜への下り口を過ぎると、道路の左側にネットが張られた地域に入ります。

このネットは、アカガシラカラスバトを含む野鳥に影響を与える、ノネコ(鳥を捕らえてしまう)やノヤギ(生息地を荒らす)の侵入を防ぐネットです。
ネットが張られだして少し進むと、ネットが内側にへこんだ場所があります。
東平アカガシラカラスバトサンクチュアリーの入口に到着です。

自転車を横に止め(車の場合は、初寝浦の入口近くに、駐車場と思しき場所があるので、そちらに。)て、向かいます。


入口には、ゲートが設けられています。
中に入る際のルール(許可を持った方・ガイド等の同行が必要など)が日本語と英語で説明されています。
手作り感&環境保護への愛が感じられる看板です。

横には、このサンクチュアリーを設定した目的などを説明した看板があります。

扉を開けて、中に入ると20m先位に、このエリアの案内版と、カウンターシステムおよび種子除去装置が設置されています。


こちらは、種子除去装置。
外来種子および、外来生物の肉食プラナリアを区域内に持ち込まないようにするためのものです。
箱の中のコロコロで、衣服に着いた外来種子を除去します。使用したシールは、着いた種をカウントするので、剥がして中の袋に入れます。
下のマットと側面にぶら下がっているブラシで、靴底の泥を落とします。そのあと黄色いスプレーを靴底にたっぷりとスプレーします。靴底に付いているプラナリアおよびその卵を駆除します。
スプレーには木酢液が入っていて、散策中ずっと香りがしていました。ちゃんとやった感じがして安心です。

今回行くのは、サンクチュアリーの中でも、ルート1と呼ばれるルートです。
(ルート2はさらに特別の資格が必要&11~3月は、赤ポッポの繁殖時期の為入れない)

こちらは、入場者をカウントするカウンターシステム。
電力不要のエコなシステムを採用しています。
観察路(ルート1)の筒に、「島民」を示す石を1つ入れます。
これで準備OK、出発します。

出発してすぐ目に入るのは、「ゲンゴロウ池」と呼ばれる池。
2カ所あり、赤ポッポの足跡が見られる場合があるらしい。(なので、池内は踏み込み厳禁)
水中の泥の表面をよく見るも、らしきものは見られず。残念

そこらに生えている植物は、本州のものとは全然違うので、全くわからず。
冊子に載っている写真と必死に見比べて、これかなあれかなと考えながら進みます。
(固有種)タコヅル:赤ポッポが利用

左:タコノキ(固有種) 右:ノヤシ(固有種)

ムニンアオガンピの花(固有種)

ムニンアオガンピの実(固有種)

花とかがついてないと、さっぱり見当がつきません。。。
冊子に載っていないものは、父島に来る前に買った「小笠原植物図鑑」(昭和56年発行)を探して確認。

植物の写真を撮ろうとレンズを向けたら、こちらに視線を送る虫3匹。
多分ツユムシの幼虫とおもうけど。。。。(はっきりとはわからない)

父島の場合、普通に「オガサワラ○○」とか「ムニン△△△」とか固有種だったりするので、そこらにある植物や虫も傷つけないように気を付けます。

旭山でも見た、ムニンシラガゴケ(固有種)。こちらでもあちらこちらに生えています。
旭山の時は、乾燥していて硬かったのですが、この日は苔は湿っていました。
でもやっぱり、ふわふわな手触りではなく、ガシガシ硬い手触りです。
ふわふわを期待していただけに、残念。

ここを訪れた一番の目的、赤ポッポ探し。
目で探すほか、赤ポッポの鳴き声や、ガサガサと餌を探すために地面の葉っぱをひっくり返す音に神経を集中させて進んでいったので、かなりゆっくりなスピードで進んでいきました。

ルート1の半分ほどのところで、初寝山へのルートとの分岐が。
右:ルート1(今回のルート)、左:初寝山へのルートです。
右に進んでいきます。

途中、ルート2への分岐があり、入口には注意書きの看板があります。
今は11~3月の立ち入り禁止期間。入口は立ち入らないようバリケードがあります。

このような足元が良くて、ガサガサできそうな場所は特に念入りに見ましたが、見つからず。(ハトらしき音も聞こえず)
探しながら歩くこと、1時間半。ルート1の終点に到着。これ以上は進めません。
(このまま夜明け道路の方へは抜けられないので、引き返します。)

帰りもあきらめず、物音に注意しながら戻ります。

ふと、幹に「八」の字を見つけました。
葉が取れた跡が、八を逆さにしたようにみえる『マルハチ(固有種)』です。
ちょっと元気出ました。

往復約2時間、東平サンクチュアリーを歩きましたが、この日は赤ポッポには会えませんでした。生き物相手なので、必ず会えるとは限らないわけで。
また、リベンジに行こうと思います。


本日は、以上です。
ここまで読んでいただき、ありがとうございました。

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