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パッションフルーツの育て方 ~葉に丸い変色が。円班病か?~

こんにちは。
基本的に病害虫の少ないパッションフルーツ。そんなパッションさんに丸い斑点が現れました。

今日はパッションフルーツの葉に出来た「薄褐色」の斑点についてです。

【目 次】
1.症状について
2.パッションフルーツ円斑病とは?
3.円斑病の対策、有効薬剤について
4.パッションフルーツの作業時期、基本事項について

1.症状について

アザミウマによる食害以外、ほとんど病気害虫の被害の無いパッションフルーツですが、今回明らかに怪しい症状が、葉に見られました。

・今回パッションフルーツの葉に見られた症状です。
このように、葉に淡褐色の斑点が出来ています。

斑点の一つをよく見ると、淡褐色の中に「黒い点々」があります。
これは、菌類が原因となる葉の病気でよくみられる症状です。

パッションフルーツでこのような症状が出る病気を調べると、どうも「パッションフルーツ円斑病」のようです。


2.パッションフルーツ円斑病とは?

●パッションフルーツ円斑病の症状
葉,枝および果実に発生する。オリーブ色~淡褐色の小斑点を生じ、拡大して2~10mmで淡褐色~灰白色の円斑~不整円斑となる。
症状が進行すると、葉では病斑の周囲が黄化・落葉する。枝では中心部が褐色、周囲が赤色の明瞭な紡錘形~長円形の病斑となる。果実では斑点が融合して大型不整斑となる場合もあるが、症状は表皮のみで内部まで進行することはない。
病斑部には小黒点(分生子殻)を形成する。


●原因菌
分生子果不完全菌類に属する菌が原因。
病原  :Septoria pastinacina Saccardo
病原異名:Septoria passiflaricola Punithalingam
※農業生物資源ジーンバンクHPより


●伝染(感染)経路
病気にかかった葉(落ち葉)、枝、実の中で分生子殻が越冬し、翌春の伝染源となると考えられる。胞子は、降雨によって、飛散・伝染していく。


3.円斑病の対策、有効薬剤について

円斑病の対策は、
1.病気の葉を除去する
2.有効薬剤(ダコニール1000かアミスター10などの殺菌剤)を散布する。
※ダコニールは、保護殺菌剤で予防剤としての側面が強い。


ダコニール1000の適用をみてみると、パッションフルーツについての記載もあります。
●適用病害と使用方法
作物名  :パッションフルーツ
適用病害名:円斑病・疫病
希釈倍率 :1000倍
使用時期 :収穫の14日前まで
総使用回数:3回以内
使用方法 :散布


●ダコニールとは?
左:殺菌剤「ダコニール」、右:展着剤「ダイン」
写真:左が、住友化学園芸から出ている総合殺菌剤「ダコニール1000」
乳白色の水和剤です。
対象はうどんこ病やもち病・炭そ病・斑点病などカビ類(糸状菌)によっておこる病気に効果のある薬剤です。

【ダコニール1000】 ※添付の文章より
成 分:
・TPN(テトラクロロイソフタロニトリル)・・・40.0%
・水、界面活性剤等 ・・・・・・・・・・・・・60.0%
性 状:類白色水和性粘稠懸濁液体


写真:右は、散布する液が植物や虫に付きやすくするために加える展着剤「ダイン」
茶色の粘度のある液体です。
散布液が葉などに付きやすくするとともに、雨露による流亡を軽減します。これ自体に殺菌作用があるわけではないです。

ダコニールの使用濃度は花卉類で1000倍希釈、野菜類は700~1000倍希釈の濃度で使用します。(詳しい濃度は添付の文章で確認してください)


●散布に際して問題点
効くことがわかったので、さっそく散布したいところだったのですが、何点か問題がありました。

1.使用時期の問題
 今回、円斑病がでた株には、開花から65日目を迎える実が付いています。
 収穫までの目安は開花から70~80日程度なので、あと10日ほどで収穫を迎える計算になります。
 そのため14日前までの条件に引っかかります。
9月8日撮影、7月4日開花分の実(65日目)

2.高温時の使用について
 ダコニールの薬害が出やすいとされる条件に「高温時の使用」があります。
ダコニールは、25℃以上の真夏の高温時に薬害が出やすいと考えられています。
薬害自体は、葉が黒ずんでしまうもので、葉が枯れたりすることはないようです。(光合成も行えるので、特に切り取ったりする必要もないです。)
薬害を防ぐためには、高温時の使用を避け、真夏の場合は、涼しい早朝か曇りの日に散布するとあります。
。。。今はまだ真夏なみに暑いですし、早朝でも25℃超えているので、もう少し涼しくなってからの方がよさそうです。
台風もきますし。(折角散布した薬剤が風雨で取れてしまうので)。

こうなると、もうしばらくは薬剤の散布は出来なさそうです。
仕方ないので、根本的解決にはなりませんが、まずできることは「病気の葉を除去する」こと。
それと、傷んだ葉なども少し剪定して、風通しを良くします。
病気の症状があった葉(丸で囲った部分)、それに加えて傷ついていたり、たくさん重なっていた部分の葉もいくらか剪定・除去しました。


4.パッションフルーツの作業時期、基本事項について

●作業時期について
月別作業(パッションフルーツ)

関連記事:パッションフルーツの育て方 (基本事項)


本日は以上です。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
励みになります。

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